心が洗われる時はどんなときですか?
私にとって、そんな時間の一つは
詩集を読むとき
今日は好きな詩人のひとり 塔和子さんの詩を紹介しますね^^
どんな週末をお過ごしでしょうか?
どうぞ佳き時間で在りますように☆
・。・。・。・ 表 情 ・。・。・。・。
こなければよいと希う日も
早く来よと待つ日も同じに
その日は来る
そこを通りこさなければなにも始まらない
歩いている同じ線上にその日はあって
つうっと通り過ぎるだけなのに
そこはひとつの節ひとつの曲り角
だから
その日が来て泣いたり喜んだりした後
はじめて角の向こうへ目を上げることを
自分自身になっとくさせて
歩きはじめるのだ
ああ
どんな神が作ったのか
人は短い生のうちに何度表情をかえる
微妙な高さなのだろう
愚かさなのだろう
あるとき
悲痛な別れをして
とぼとぼと帰る
自分の足のつま先に
全身の欠落を
ぬたくるようにまとって歩く
この愛けないもの
(一九八二年八月「青松)