去る11月2日、
マリア·ジョアン·ピリス(ピアノ)と
マティアス·ゲルネ(バリトン)の「冬の旅」(シューベルト)を
サントリーホールで聴きました。
帰宅して、お風呂にはいって、真夜中なのに、眠れない。
じわじわじわじわと奥の方に沁みてきて響いてきて胸が熱くなる。
真夜中にFBに防備録としてあげたものです。
防備録
冬の旅は、暗くて好きじゃないと言う声をよく聞く。
失恋した若者が絶望してさすらいの旅を続けていくという内容だから、全体を通じて、暗く絶望的な雰囲気に包まれた音楽だという認識はわたしにもあった。
けれど、
2人の冬の旅は、まるで違って聴こえた。繊細で美しいピリスのピアノ。
ゲルネのバリトンは、ピリスの繊細な音を壊さない。
とても甘く優しく、ときに切ない。ゲルネはピリスのために歌い、ピリスもゲルネのために奏でているようにさえ感じられる。
まるで鳥たちが愛を交わし合って歌っているかのように
歌曲のピアノは伴奏とか、脇役という位置づけになるのかもしれないけれど、
ピリスの演奏は決して伴奏でも、脇役でもない。
どちらか一方だけが主役なのではなく、
陰になり、陽になり、また陽になり、陰になり
二人の間に魂の火花が散っているかのように思える。
愛は相手に迎合するわけじゃない。
最大の信頼とリスペクトを持った上で、突然噛みつくこともあるだろう。
ゲルネが歌い、ピリスが奏で、
私達が聴く。
外は雨
あの時間と空間の縦と横が織りなした
ほんとうに「一夜限りの愛の旅」だとおもえた。
出逢えてほんとうに良かった
会場はスタンディングオベーションに包まれた。
思わず、帰りの電車から感動を魂の友に伝えると
「愛賀真琴さんの愛はどんなふうに振動しているのでしょう」と返答が来た。
また別の友は「瞑想と音楽って、とても通ずるものがあるような気がするなあ」と言う。
わたしのなかで、ゆっくりと発酵させたい。
会場のあちこちで一緒に感動の時間を過ごした友たち
一緒には聴かなかったけれど、胸の高鳴りを聞いてくれた友たち
ありがとう♡