ゲルハルト·リヒター展にいってきました。
今回の大規模個展の軸は、やはり、
ホロコーストを主題とした「ビルケナウ」
その場に足を踏み入れたとたんに圧倒的な空気感に包まれる。
ものすごい存在感で迫ってくる。
だけど、ビルケナウだけじゃないの。
どの作品もめちゃくちゃ存在感を放つアブストラクトペインティングやひきこまれていくカラーチャートシリーズ。
ガラスや鏡によってまた違う表情が見える。
「無を示すのに灰色は最適」とはリヒター自身の言葉
キャンバスを灰色の絵具で塗り込めたグレイペインティングシリーズは、ローラーを使ったものや筆を使ったものとさまざまに面白い。
ただじ〜っと、灰色のキャンバスをみつづけていると、不思議な感覚になっていく。
どの空間にある作品も、作品やその空間からうまれる外部感覚と内部感覚をじっくりと観察できて、めちゃくちゃ興味深かったし、なんとも瞑想的で良い時間だった。
ロバート・ストアがリヒターについて
「20世紀後半の偉大な作家のひとりであるとともに、21世紀の最前線の探求者」だと語っているそうですが、
まさに探求者であり、チャレンジャーだと思う。
リヒターの作品を生で見たのはこれが初めて。
リヒターについて知っていたのは、
10年ほど前にエリック・クラプトンが所有していたリヒターの抽象画が約27億で落札されて、当時生きている画家としては史上最高額だということ。
なんというかね、う〜ん高額の値がつく画家、、、という、はなはだ勝手な穿った印象を持っていたわけだけど、(笑)改めて、何事に対しても、人に対しても、まずは自分をゼロにすることの大切さを感じました。
まあ、そんなのもふきとばされる勢いですごかったし、素晴らしかったです。
東京国立近代美術館にて
10月2日まで
おすすめです