加島祥造さん

私が初めてタオに触れたのは「加島祥造さん」の本でした。
昨年末、お亡くなりになったのですね。
素敵な方でした。

第一章 道(タオ)ー 名のない領域 より

これが道だと口で言ったからって
それはほんとうの道じゃないんだ。
これがタオだと名づけたって
それは本物の道じゃないんだ。
なぜってそれを道だと言ったり
名づけたりするずっと以前から
名の無い道の領域が
はるかに広がっていたんだ。

まずはじめに名の無い領域があった。
その名の無い領域から
天と地がうまれ、
天と地のあいだから
数知れぬ名前が生まれた。
だから天と地は
名の有るものすべてのものの「母」と言える。

ところで
名の有るものには欲がくっつく、そして
欲がくっつけば、ものの表面しか見えない。
無欲になって、はじめて
真のリアリティが見えてくる。

名の有る領域と
名の無い領域は、同じ源から出ている、
名が有ると無いの違いがあるだけなんだ。

名の有る領域の向こうに
名の無い領域が、
はるかに広がっている。
明と暗のまざりあった領域が、
その向こうにも、はるかに広がっている。その向こうにも・・
入口には
衆妙の門が立っている、
森羅万象のあらゆるもののくぐる門だ。
この神秘の門をくぐるとき、ひとは
本物のLife Forceにつながるのだ。

 

詩集『求めない』より

求めない―― すると それでも案外 生きてゆけると知る
求めない―― すると いまじゅうぶんに持っていると気づく

求めない―― すると 比べなくなる
(ひとと自分を 過去と今を 物と価値を 持つと持たぬとを)

一切なにも求めるな、 と言うんじゃあないんだ
どうしようか、 と迷ったとき 求めない――と 言ってみるといい
すると 気が楽になるのさ

ご冥福をお祈りいたします。

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